デニムペイント完全ガイド|色落ち補修(グラデーション)・飛ばし・ステンシルのやり方 / 制作事例
📌 この記事でわかること
- デニムペイントの塗料はペンキではなく「布用絵の具」が正解
- 飛ばし・グラデーション・ステンシルの3技法をSTEP形式で解説
- 飛ばし(アクションペイント)は水分量の調節がカギ!動画で解説
- 白っぽくなったデニムを絵の具で”補色”して色落ちを目立たなくする方法も紹介
プロ直伝!デニムのペイント加工「ペンキ飛ばし」「グラデーション」「ステンシル」
塗装職人や画家のようにびちゃっとペンキが飛んだデニムって「使い込まれてる感」があってなんだかかっこいいですよね。色むらがあったり、ステンシルで文字が入っている加工もヴィンテージ感があってとても素敵です。
ダメージ加工、抜染加工、ウォッシュ加工、そしてペイント加工。デニムには様々な加工が施されますが、布用絵の具「くらカラー」を使用すれば様々なペイント表現を好きなところに施すことができます。
クラフトワークスKyotoでは、デニムへの手描き二次加工を数多く手がけてきました。今回はそのノウハウを活かして、初心者さんでも失敗しにくい塗料選びから、「ペンキ飛ばし」「グラデーション(色落ち補修)」「ステンシル」という3つの人気技法のやり方まで、写真付と動画でわかりやすく解説していきます!
デニムペイントにペンキは使える?布用絵の具との違い

「布用絵の具じゃなくても、塗装用のペンキで加工すればよいのでは?」と思われる方もいると思います。結論から言うと、デニムへのペイントにペンキはおすすめできません。
| ペンキ | 布用絵の具(くらカラー) | |
|---|---|---|
| 洗濯耐性 | △ ひび割れ・剥離しやすい | ◎ 繊維に定着して色落ちしにくい |
| 乾燥後の質感 | △ ゴワゴワと硬くなる | ◎ 布の風合いが残る |
| 飛ばし表現 | △粘土が高いため難易度が高い | ◎ 飛ばし・ぼかし・ステンシルすべて対応 |
| 安全性 | △ 有機溶剤を含む製品も多い | ◎ 水性アクリル・肌に触れても安心 |
ペンキで飛ばし塗りをしても、(技術があれば)見た目はそれらしく仕上がります。
しかし、塗装用のペンキは粘土が高いため、かなり激しく筆を振る必要があります。そのため加工にスペースを要するうえに、かっこよく飛ばすのはかなり技術がいるのです。
また、布用ではないため、洗濯するとひび割れや剥離が起き、生地もゴワゴワに硬くなってしまいます。「ペンキみたいな飛ばし表現」は布用絵の具でも全く同じように再現できます。洗濯しても長持ちさせたいなら布用絵の具がおすすめです。
デニム(濃色生地)には黒地用くらカラーを選ぶ理由
デニムはインディゴブルーの濃色生地です。市販の布用絵の具の多くは濃色生地への発色が弱く、塗っても色が下地に負けてしまうことがあります。
くらカラーの黒地用は、濃色生地の上でも絵の具本来の色をしっかり発色させる「隠ぺい性」を持つよう樹脂・顔料を配合しています。デニムへのペイントにはくらカラー黒地用を選んでください。

技法①:飛ばし(アクションペイント)のやり方
【基本】絵の具の水の量と下準備
くらカラーは水で薄めて使えますが、水の量が仕上がりを大きく左右します。
| 水の量 | 仕上がりへの影響 |
|---|---|
| 薄めすぎ(70%以上) | 乾燥後に絵の具が布に沈み込み発色が大幅に落ちる |
| 適量(40〜70%) | 飛ばしやすい柔らかさ。やや発色は落ちるため塗り方に注意 ※白地用と黒地用で粘度が違うため少しずつ加水すること! |
| 硬め(20~40%) | 発色は美しいが粘度が高いため、絵の具が筆にまとわりついて飛ばしにくい。 |
| 原液(水なし~20% ) | 筆塗りはOK。 |
下準備
- 養生する 周囲に新聞紙を敷く。飛ばし技法の場合はダンボールで高めの囲いを作ると安心。
- 生地を固定する 動かないよう平らな台の上に置く。ジャケットやTシャツは中に厚紙を入れると裏移り防止になる。
- マスキングする 塗りたくない箇所にマスキングテープを貼る。
筆に絵の具をつけてさっと振るだけで、ブランド風のスプラッシュペイントが完成します。加工のプロに実践してもらった動画はこちら!
用意するもの
- くらカラー黒地用(白・パステル黄・紺など複数色あると楽しい)
- 筆(細め〜中くらい)、歯ブラシ
- 新聞紙またはダンボール(養生用)
- 水
手順
- 絵の具を薄める
絵の具に水を40~70%加えて混ぜる。飛ばしの場合はやや緩めのほうが飛ばしやすい。ただし薄めすぎると発色が落ちるので注意。白地用と黒地用で粘度がちがうため、動画のように少しずつ加水するのがポイント!

- 筆に絵の具をたっぷりつける
筆の半分くらいまでつける。少なすぎると飛沫が出にくい。 - 生地から10~30cm離して振る
手首のスナップを使って素早く振る。近すぎると大きな塊になりやすいので、最初は離れた位置から試す。

- 手首をトントンして絵の具を飛ばす
絵の具をもった手を、もう片方の手でトントンと叩くと狙ったところに細かいしぶきを飛ばせる。

- 歯ブラシをつかった「スパッタリング」
歯ブラシに絵の具をつけて指ではじく方法。もやのような細かいしぶきを表現することができる。

- 色を重ねる
加水しているため、乾くと色が沈む。飛ばした絵の具の上から、筆で少量足して盛り上げるように塗ると、乾いた後の発色がより鮮やかになる。 - 乾燥させる
乾燥後24時間以上経ってから洗濯する
⚠️ 失敗しないコツ・注意点
- 大きな雫には追い塗りでさらに鮮やかに!水でのばしているので乾くと少し色が沈みます。筆で少し塗ってあげるとより鮮やかになります。
- 最初は端の目立たない場所で試し振りをしてから本番へ
- 周囲への飛び散り範囲は思ったより広い。ダンボールの囲いは高めに作るとベター
- 複数色使う場合は明るい色から先に飛ばすと色が映えやすい
技法②:デニムの色落ちを絵の具で”補色”するグラデーション塗り
お気に入りのデニムなのに、色落ちが気になって着なくなった…という経験はありませんか?漂白剤や軽石を使う「脱色」加工とは逆に、白っぽくなった部分に藍色を重ねて「補色」することで、色落ちを目立たなくしたり、あえて濃淡を残してヴィンテージ風に仕上げたりすることができます。

市販の補色スプレーや染色ペンは色の濃さを調整しづらいのが難点ですが、くらカラーなら刷毛やスポンジでとんとんと叩くように少しずつ色を重ねられるので、濃淡を自分でコントロールしながら自然なグラデーションに仕上げられるのが特徴です。
また、カラーバリエーションが豊富なため、持っているデニムの色に合った色をお選びいただけます。
用意するもの
- くらカラー黒地用(デニムの地色に近い紺・藍系がおすすめ)
- ステンシル用の刷毛(平たくて毛が短いもの)またはスポンジでもOK
- マスキングテープ(太め推奨)
- クリア(うすめ液)※任意。水っぽくならず色だけを薄めることができる。

- 色落ちした範囲を確認し、マスキングする
補色したい範囲の境界にマスキングテープを貼る。太めのテープを使うと刷毛がはみ出しにくい。全体を補修する場合はマスキング不要。 - 絵の具を刷毛に少量つける
絵の具は水で薄めない。刷毛に少量だけつけ、一度別の紙の上でかすれるくらいまで余分な絵の具を落とす。 - 色落ちが濃い部分から「とんとん」と叩くように補色する
刷毛を上から垂直に押し当てるイメージで、最も白くなっている部分から内側へ向かって塗る。一度に濃くしようとせず、薄く何度も重ねることで自然なグラデーションが出る。 - 濃淡をコントロールする
しっかり補色したい箇所は同じ場所を繰り返し叩く。元の色落ち感を活かしたい箇所は1〜2回だけ軽く叩く。境界線付近を最も濃く、内側へ向かって薄くなるよう意識すると馴染みやすい。 - マスキングテープをはがす
絵の具が半乾きのタイミングでゆっくりはがすと境界線がきれいに出やすい。 - 乾燥させる
乾燥後24時間以上経ってから洗濯する
⚠️ 失敗しないコツ・注意点
- 絵の具を水で薄めないのが補色をきれいに出すポイント。どうしても薄めたい場合はクリア(うすめ液)を少量使う
- 刷毛への絵の具は「少なすぎるかな?」くらいがちょうどいい
- 最初は薄く入れて、何度も重ねることを前提に進めると失敗しにくい
- 完全に色落ちをなくすのではなく、少し濃淡を残すほうが自然なデニムの風合いになる
技法③:ステンシルパターン・文字のやり方
型を作って絵の具を叩くだけで、ブランドロゴ風の文字やイラストが簡単に入れられます。ジャケットにもボトムにも自由にアレンジできます。

用意するもの
- くらカラー黒地用(好みの色)
- 厚紙またはステンシル用シート
- カッターとカッターマット、ハサミ
- スプレーのり(ずれ防止に便利)
- ステンシル用の刷毛またはスポンジ
手順
- ステンシル型を作る
厚紙やステンシル用シートに書きたい文字や図案を下書きし、カッターとハサミで切り抜く。細かい文字はカッターのほうがきれいに切れる。文字は左右反転しないよう方向を確認する。
- 型を生地に固定する
型の裏側にスプレーのりを軽く吹き付け、少し乾かしてから生地に貼り付ける。スプレーのりを使うとズレが起きにくく、絵の具が型の下に流れ込みにくい。
- 絵の具を刷毛でたたくように塗る
刷毛に少量の絵の具をつけ、上から垂直にたたくように塗る。型の端から中心へ向かって塗ると輪郭がきれいに出る。

- 型をはがす
絵の具が半乾きのうちにゆっくりはがす。完全に乾いてからはがすと型と一緒に絵の具が剥がれることがある。 - 乾燥させる
乾燥後24時間以上経ってから洗濯する

⚠️ 失敗しないコツ・注意点
- 型を生地にしっかり密着させるのが最重要。浮いていると絵の具がにじむ
- 絵の具は少量ずつ重ね塗り。一度に厚塗りすると型の下ににじみやすい
- ジャケットなど立体的な生地は平らに伸ばしてから型を当てる
デニムペイント後のお手入れ・洗濯について
- 乾燥後24時間以上経ってから洗濯する
- 最初の数回は手洗いまたはネットに入れて弱水流で洗うと色持ちがよい
- 裏返して洗うと色落ちしにくい
- 乾燥機は避け、陰干し推奨
まとめ
- デニムペイントにはペンキではなく布用絵の具(くらカラー黒地用)を使う
- 技法は飛ばし・グラデーション・ステンシルの3種類。組み合わせも自由
- 乾燥後24時間以上経ってから洗濯する
(2017年公開 / 2026年7月 大幅更新)

